注文住宅で建てた、築21年(1997年)木造の住宅で、3年前に塗装を行った住宅です。
南面、北面を中心に全体的に膨れが発生しています。
大きさは1~2cmくらいのものが多く、ヤモリの卵のようなものが多いです。
触ると簡単に割れて、建築当時のサイディングの色が出てきます。
現象の原因や塗装の場合の注意点等ありましたら教えていただきたいと思います。
全体的に出ています。特にひどいのが南面2階ベランダの掃出し窓のまわりと、
北面にある入隅プロパンのボンベ周辺の外壁が特にひどく症状が出ています。
東西南北とても日当たり、風通りいいです。
旧塗膜の色はグレーの濃いめの色になっています。確認したわけではありませんがN-50くらいの色です。
使用した塗料はわからないです。表面の刷毛跡、塗膜の感じから溶剤だとは思います。
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返答です。
1、現象の原因=>水分(乾燥不良・直張り工法)です。
北面=>乾燥前に塗装を行ったと思われます。
2、北面にある入隅プロパンのボンベ周辺の外壁が特にひどく症状が出ています=>乾燥不良か?。
3、旧塗膜の色はグレーの濃いめの色になっています。がN-50くらいの色です。=>日射反射率は10~15%ですので、蓄熱し表面温度は最高60~75℃に上がります。
4、溶剤系の塗料は=>ボード基材からの湿気を遮断し、膨れやすくなります。
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今後の補修と再塗装のご参考
1、専門家による(お勧めは SD技研 地区相談所)窯業サイディングの留め付け=直張り工法~の確認
*建築年度からすると直張り工法の可能性が高いです。
2、膨れているところの補修方法
(1)膨れが有る部分=膨れていないところも含め全部の塗膜を取ります。
電動ワイヤーブラシなどの工具にて。
膨れていないところを残すと、再塗装の後に激しく膨れます。
(2)再塗装の塗料選定
窯業サイディング材専用の水性1液塗料から
色=明度 70以上(日射反射率 40%以上)蓄熱予防
3、試し施工も必要に応じて行います
(1)膨れが無い 西面の日当たりのよい面にて1㎡分に現状の塗膜の上から、上記2,(2)の
塗料にて下塗り+上塗り(塗料メーカーの規定量Kg/㎡)を塗装して、今年の夏まで様子を見ます
(2)想定=現状の上に仮に明度70以上の白っぽい色を塗装しても、膨れの可能性が有ります。
(3)試し施工で膨れなど問題が無い時は、念のため「直張り工法」が原因の膨れ、剥離、反りなどにつき、よく説明を受けて契約します。
是非とも、SD技研 地区相談所にご相談頂きたいと思います。
SD技研 地区相談所
窯業系サイディング材メンテナンス技術研究所 所長 古畑秀幸